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素材について

葉書きサイズのもは、Watson, Clester, ミューズケナフ紙など水彩紙なら、なんでも使います。
それ以上の大きさの作品は、ほとんど和紙―Japanese paperで雲肌麻紙を使っています。

パネル張りせず、白い板の上で作業していきます。
Clayは土、初期には日本画で扱う数種類の黄土しかなかったのですが、
ここ数年イタリア、フランス、イギリス、ドイツ、ギリシャ等ヨーロッパをはじめ、
ロシア、ボヘミアと世界各地の土を画材屋で入手でき、
多彩な色味を楽しんでいます。
Gessoも薄めて塗ると、下に塗られていたものが透けたりとか、使い様です。

Gouacheは不透明水彩です。
発色が良いのと雲肌麻紙にくいこみが良いので、2日ぐらい充分乾かして、水で落としてベースにしたりします。
Zelatinは膠で、いわゆる三千本と呼ばれているものを溶かして、土や岩絵の具のバインダーとして使います。
Japanese pigmentは日本の伝統的な岩絵の具で、
主に日本画に使われているもので、岩を砕いて、粒子の大きさで色の明度を変えていきます。
ちなみにサイズはmmで表されています。
126×238変は126mm×238mmの変形タイプということです。                                 2014,8

 

題名について

題名は非常に感覚的,直観的につけています。
大きい作品以外は、写真撮りしたものを見てつけるのがほとんどで、客観的に見られるのでやり易いのです。

抽象的な絵の場合、ナンバーリングでも良いのですが、
私の場合写真を見ているうちに、思い浮かんでくる言葉を書き出して気に入ったものをつけることにしています。
思いこみや個人的な思い出も入り込んで他の人には、意味不明なものなのかもしれませんが、
名前をつけると作品が独り立ちをして、私から少し離れて感じられます。
題名は、例えばこんな言葉が似遣わしいかな、ぐらいと、思って下さい。

ただ、英訳したりすると、ニュアンスが伝わらないものもあるので、そのことについては考慮中です。    2014、8

 

ドローイング

柔らかいラインが数ヵ月続くと、いきなり強いラインが出てくる。
素材を変えると、全く表情の異なった作品群になる。
こんなにまで違ってよいものかと思うこともあるが、
すべてを含めて自らのアイデンティティ(自己同一性)と考えられる様になった。
この振幅の大きさが、たぶん自分なのだと思う。

色や形がある中でのドローイングは、五感を通して絵の変化を体験できるので興味がつきない。
等身大の作品は、自分のモチベーションが、顕にされるのでやりがいがある。
全力疾走を余儀なくされる。
それは、歩くこと、走ることの意義を問えないのと同様に、
描くことを問うことの無意味さを再び心に呼びさましてくれるからだ。          2000,11